石見銀山は何がすごい?歴史と観光の見どころを解説

石見銀山は何がすごいのか、その魅力を探っていませんか?この記事では、まず石見銀山は何県にある?という基本情報から、発見はいつから?栄えたのは何時代?といった石見銀山の壮大な歴史を紐解きます。
そして、なぜ世界遺産になったのか、閉山の理由についても詳しく解説。この記事を読めば、石見銀山の何がすごいかを体験するための全てがわかります。
観光の所要時間はどのくらい?入場料はいくらかかる?のか、必須情報である駐車場とアクセス方法、便利なレンタサイクルの料金まで、石見銀山の何がすごいか総まとめとしてお届けします。
この記事で分かること
- 石見銀山が世界遺産に登録された歴史的背景
- 大森の町並みや龍源寺間歩など主要な見どころ
- 観光に必要な所要時間とモデルコース
- アクセス、駐車場、レンタサイクルなどの実用情報
石見銀山は何がすごい?歴史と価値

- 石見銀山は何県にある?
- 発見はいつから?
- 栄えたのは何時代?
- 石見銀山の壮大な歴史
- なぜ世界遺産になったのか
- 閉山の理由について
石見銀山は何県にある?
石見銀山(いわみぎんざん)は、島根県大田市(しまねけんおおだし)にあります。島根県のほぼ中央に位置し、日本海に面した山あいの静かな町、大森町とその周辺に広がる広大な遺跡群です。
世界遺産の範囲は、銀を掘り出した鉱山跡だけでなく、そこで暮らした人々の町並み、銀を運んだ街道、そして銀を積み出した港町まで含まれており、山から海へと続く壮大なスケールを持っています。
発見はいつから?
石見銀山の発見については、鎌倉時代末期の1309年に周防国の大内氏が見つけたという伝説が残っています。しかし、本格的な開発が始まったのはそれから約200年後のことです。
1526年、博多の豪商であった神屋寿禎(かみやじゅてい)が、日本海を航海中に山が光るのを発見したことが、石見銀山の歴史の幕開けとなりました。彼はすぐに朝鮮から最新の製錬技術である「灰吹法(はいふきほう)」を導入。これにより、銀の大量生産が可能になり、石見銀山は一躍、日本の、そして世界の歴史の表舞台へと躍り出ることになったのです。
栄えたのは何時代?
石見銀山が最も栄えたのは、戦国時代後期から江戸時代前期(16世紀半ば~17世紀前半)にかけてです。この時代、石見銀山から産出される銀の量はすさまじく、当時の世界の産銀量のおよそ3分の1は日本銀が占め、その多くが石見銀山産だったと言われています。
この豊富な銀は、ヨーロッパとアジアを結ぶ大航海時代の世界経済に大きな影響を与えました。当時のヨーロッパで作られた世界地図には、日本の石見銀山の位置が「銀鉱山王国」として記されるほど、その存在は世界に知られていました。
石見銀山の壮大な歴史

莫大な富を生み出す石見銀山は、戦国大名たちにとって是が非でも手に入れたい場所でした。そのため、発見からしばらくの間、周防の大内氏、出雲の尼子氏、安芸の毛利氏といった有力大名による激しい争奪戦が繰り広げられました。
最終的に毛利氏が支配を確立しましたが、関ヶ原の戦いの後、1600年からは徳川幕府の直轄地(天領)となります。幕府は奉行所(のちに代官所)を置き、初代奉行・大久保長安のもとで銀山経営を本格化させ、シルバーラッシュを迎えました。この銀が、江戸幕府の財政基盤を支える重要な柱となったのです。
なぜ世界遺産になったのか
石見銀山が2007年にユネスコ世界遺産に登録されたのは、単に「大きな銀山だったから」という理由だけではありません。その「すごさ」は、鉱山経営の全体像が、自然と共生する形で奇跡的に残されている点にあります。
世界遺産登録の3つの理由
- 鉱山活動の総体が残っている:銀を掘った坑道(間歩)だけでなく、製錬所跡、役人の屋敷や町並み、銀を運んだ街道、積み出し港まで、銀の生産から流通に関わる一連の遺跡群が一体として保存されています。
- 環境に配慮した産業遺跡である:鉱山の開発では大規模な森林伐採がつきものですが、石見銀山では必要最小限の伐採と植林が行われ、豊かな自然環境が維持されました。自然と共存したこの姿が「文化的景観」として高く評価されました。
- 世界史に大きな影響を与えた:石見銀山の銀が、16世紀以降のヨーロッパとアジアの経済・文化交流において重要な役割を果たしたことが認められました。
このように、環境に配慮しながら世界の歴史を動かした産業遺跡である点こそが、石見銀山の「すごさ」の核心なのです。
閉山の理由について
400年近くにわたり採掘が続けられた石見銀山ですが、江戸時代中期以降、銀の産出量は徐々に減少していきました。良質な鉱脈が枯渇し、深く掘り進めるための排水費用などがかさみ、採算が合わなくなったのです。
明治時代に入ると、民間企業(藤田組)によって経営が引き継がれ、銀よりも銅の生産が中心となりました。しかし、これも長くは続かず、最終的には1923年(大正12年)に事実上の休山となります。そして、1943年(昭和18年)の台風による水害で坑道が水没したことにより、その長い歴史に幕を下ろしました。
石見銀山の何がすごいかを体験する

- 観光の所要時間はどのくらい?
- 入場料はいくらかかる?
- 駐車場とアクセス方法
- レンタサイクルの料金
- 石見銀山の何がすごいか総まとめ
観光の所要時間はどのくらい?
石見銀山は非常に広大なため、観光の所要時間はどこまで見るかによって大きく変わります。目的に合わせて計画を立てましょう。
- ちょこっと堪能コース(約2~3時間):大森の町並みを散策し、唯一常時公開されている坑道「龍源寺間歩」を見学する最も一般的なコースです。レンタサイクルの利用がおすすめです。
- じっくり満喫コース(半日~1日):まず「石見銀山世界遺産センター」で歴史を学び、バスで大森地区へ。ガイドツアーに参加したり、武家屋敷や資料館を見学したりと、深く遺跡を味わうコースです。
初めて訪れるなら、まずは世界遺産センターで全体像を掴んでから、レンタサイクルで龍源寺間歩を目指す「ちょこっと堪能コース」が良いかもしれません。体力と時間に余裕があれば、ぜひガイドさんと一緒に歩いてみてください。発見の量が全く違いますよ!
入場料はいくらかかる?
石見銀山の大森地区の町並みを散策するだけなら、入場料はかかりません。しかし、主要な施設や公開されている坑道に入るには、それぞれ個別の料金が必要です。
施設名 | 大人料金 | 小・中学生料金 |
---|---|---|
石見銀山世界遺産センター(展示室) | 400円 | 200円 |
龍源寺間歩 | 500円 | 250円 |
旧河島家(武家屋敷) | 300円 | 200円 |
熊谷家住宅(商家) | 600円 | 200円 |
※料金は変更される場合があります。団体割引などもありますので、詳細は各施設の公式サイトでご確認ください。
駐車場とアクセス方法
石見銀山では、歴史的な町並みと自然環境を保護するため、「パーク&ライド」方式が採用されています。一般の観光客は、自家用車で直接、町並み地区の中心部まで乗り入れることはできません。
車でのアクセスと駐車場
車で訪れる場合は、まず「石見銀山世界遺産センター」を目指します。ここには広大な駐車場(有料)があり、ここに車を停めるのが基本です。世界遺産センターを見学した後、駐車場前のバス停から路線バスに乗り換えて、町並みの入口である「大森代官所跡」バス停まで移動します(約5分)。
町並み地区への車両乗り入れは厳禁
大森の町並みは、現在も住民が生活している生活道路です。観光客の安全と景観保護のため、許可車両以外の乗り入れは固く禁じられています。必ずパーク&ライドにご協力ください。
レンタサイクルの料金
大森の町並み散策や、町並みの入口から「龍源寺間歩」までの移動(片道約2.3km)に最も便利なのがレンタサイクルです。龍源寺間歩までの道はゆるやかな上り坂が続くため、特に電動アシスト付き自転車がおすすめです。
レンタサイクル店は、「大森代官所跡」バス停周辺に数軒あります。料金の目安は以下の通りです。
- 普通自転車:3時間500円~
- 電動アシスト自転車:2時間700円~
料金や貸出時間は店舗によって異なります。天候によっては貸し出しを中止することもあるため、事前に確認しておくと良いでしょう。風を感じながら歴史的な町並みを駆け抜けるのは、石見銀山観光の醍醐味の一つです。
石見銀山の何がすごいか総まとめ
この記事のまとめ
- 石見銀山は島根県大田市にあるアジア初の鉱山遺跡の世界遺産
- 発見は鎌倉時代だが本格開発は16世紀から
- 栄えたのは戦国時代から江戸時代初期にかけて
- 最盛期には世界の銀の3分の1を産出したと言われる壮大な歴史を持つ
- 環境に配慮した鉱山経営の跡が自然と共に残ることが評価された
- 閉山の理由は鉱量の減少と水害による坑道水没
- 観光の所要時間は主要部だけで2~3時間、じっくり見るなら半日以上
- 龍源寺間歩や世界遺産センターなど一部施設は入場料が必要
- レンタサイクルの料金は電動アシスト付きで2時間700円から
- 銀の生産から流通までの一連のシステムが丸ごと残っているのがすごい
- 今も人々が暮らす「生きている遺跡」である点がすごい
- 世界の歴史を動かした銀がこの地から産出されたのがすごい
- 自然を大切にする持続可能な開発が当時から行われていたのがすごい
世界遺産石見銀山の情報
公式サイト | しまね観光ナビ |
住所 | 島根県大田市大森町ニ183 |
営業時間 | 3/1~11/30 9:00~17:00 12/1~2/28 9:00~16:00 ※最終入場10分前 |
料金 | 大人410円(310円)、小人210円(150円) ※( )内は20名様以上の団体料金 ※小人は小学生以上中学生まで 幼児は無料 |
電話番号 | 0854-89-0117 |
駐車場 | 付近にあり |