牛久大仏はいつ出来た?構想10年・高さ120mの全貌と歴史

こんにちは。にほん旅さんぽ、運営者の「ちょぼ」です。
茨城県牛久市にそびえ立つ、あの圧倒的な存在感を放つ牛久大仏。
テレビやSNSでその姿を見かけるたびに、あまりの大きさに驚かされますよね。ふと「これほど巨大なものは、一体いつ出来たのだろう?」と疑問に思う方も多いのではないでしょうか。
実はこの大仏様、歴史的な遺跡というわけではなく、私たちの記憶に新しい現代技術の粋を集めて作られたものなのです。
1993年、平成5年に完成したこのプロジェクトには、バブル期の日本のパワーと、想像を絶するような職人たちの情熱が込められています。
今回は、単なる観光スポットとしてだけではなく、その建設の裏側にある物語や、世界一の高さを誇る理由について、じっくりとご紹介していきたいと思います。
- 牛久大仏が完成した1993年という時代背景と建設の歴史
- 高さ120メートルに決定された深い宗教的な理由
- 橋を作る技術を応用した驚きの建築工法と内部構造
- 実際に見学へ行く前に知っておきたい見どころとアクセス情報
牛久大仏はいつ出来たのかという歴史と背景

まずは、皆さんが一番気になっている「いつ出来たのか」という核心部分から紐解いていきましょう。古代からあるような顔立ちをされていますが、実はその誕生は現代。完成までの道のりを知ることで、大仏様を見上げた時の感動が何倍にもなるはずです。
1993年の完成年と平成5年の時代背景
牛久大仏が完成し、落慶法要(らっけいほうよう)が行われたのは、1993年(平成5年)のことです。具体的な完成月は5月と記録されています。
1993年といえば、日本ではバブル経済が崩壊し、社会の空気が大きく変わり始めた時期でもあります。Jリーグが開幕したり、皇太子さまと雅子さまのご成婚があったりと、新しい時代の幕開けを感じさせる出来事が多かった年ですね。
そんな激動の時代に、この世界最大級の青銅製立像が完成しました。古都にある大仏様とは違い、現代の建築技術と当時の日本の経済力が組み合わさって生まれた、まさに平成という時代を象徴するモニュメントだと言えるでしょう。
構想から完成までの期間と総工費
「いつ出来たか」と同じくらい驚きなのが、その建設にかかった期間と費用です。これほど巨大なものを作るわけですから、一朝一夕にはいきません。
建設データ ・構想着手:1983年頃 ・着工:1986年 ・完成:1993年 ・工事期間:約10年
構想から数えると、なんと約10年もの歳月が費やされています。実際の工事期間だけでも長きにわたり、多くの技術者たちが携わりました。
そして気になる総工費ですが、当時の金額で約80億円とも言われています。個人の感覚では想像もつかない金額ですが、後ほどご紹介する特殊な工法や規模感を考えれば、それだけの巨費が投じられたのも納得がいきます。このプロジェクトがいかに壮大で、本気度の高いものだったかが伝わってきますね。
浄土真宗東本願寺派による建立の目的
なぜ、茨城県の牛久という場所に、これほど大きな大仏様が建てられたのでしょうか。観光目的で作られたテーマパークのようなものと勘違いされることもありますが、その建立理由は非常に真面目で宗教的なものです。
事業主体となったのは、浄土真宗東本願寺派本山東本願寺です。この地は「牛久浄苑」という霊園として整備されており、そのシンボルとして、また人々の心の拠り所として建立されました。
茨城県は、浄土真宗の開祖である親鸞聖人(しんらんしょうにん)が、関東での布教活動の拠点としたゆかりの深い土地でもあります。そうした歴史的な背景も、この地に世界一の大仏様が立つ理由の一つとなっているのです。
川田工業による橋梁技術と構造
私が個人的に一番興奮したのがこのポイントです。牛久大仏の施工を担当したのは、仏像専門の職人集団ではなく、なんと「川田工業」という会社なんです。
川田工業は、主に「橋(橋梁)」や鉄骨構造物を得意とする企業です。つまり、牛久大仏は伝統的な工芸品としてではなく、「超高層ビル」や「巨大な橋」を作るのと同じ最新技術で作られているのです。
ここがスゴイ!建設技術の秘密
- 骨組みは鉄骨造:大仏様の体内には、高層ビルのように強固な鉄骨の骨格が入っています。
- カーテンウォール工法:青銅(ブロンズ)の表面は、骨組みから吊り下げる「カーテンウォール工法」を採用。これにより、地震や風の揺れ、熱による金属の膨張収縮を逃しています。
外から見ると穏やかなお顔をされていますが、その中身は日本の重工業技術の結晶なんですね。橋を作る技術で仏様を作るなんて、日本人のものづくり魂を感じずにはいられません。
高さ120mに込められた意味
牛久大仏の高さは120メートルですが、なぜキリの良い100メートルや、もっと高い150メートルにしなかったのでしょうか?実は、この「120」という数字には深い意味が込められています。
これは、阿弥陀如来(あみだにょらい)が放つとされる「十二の光明(こうみょう)」に由来しています。阿弥陀様の知恵と慈悲の光が世界を照らす様子を表しているんですね。
内訳としては、大仏本体の高さが100メートル、足元の台座が20メートルで、合わせて120メートルとなります。単に「世界一を目指したからこの高さになった」というだけでなく、信仰上の理由がしっかりと根底にあることに、奥深さを感じます。
ギネス認定された世界一の記録
完成当初、牛久大仏はその大きさで世界を驚かせました。そして、「世界最大の青銅製立像(Tallest bronze sculpture)」として、ギネス世界記録に認定されています。
「立像(立っている像)」であること、そして「青銅製(ブロンズ)」であることがポイントです。世界には岩を削ったものやコンクリート製のものなど、様々な巨大像がありますが、青銅製で自立している仏像としては、今なお圧倒的な記録を保持しています。
日本人として、これだけの規模のものが国内にあるというのは、なんだか誇らしい気持ちになりますよね。
牛久大仏がいつ出来たかを知り見学する

歴史とスペックを知ったところで、実際に現地へ行ってみたくなりませんか?ここからは、見学する際に絶対に押さえておきたいポイントや、現地のリアルな情報をお届けします。
奈良の大仏や自由の女神との比較
数字で「120メートル」と言われても、正直ピンとこないかもしれません。そこで、誰もが知っている有名な像と比べてみましょう。
| 名称 | 高さ(約) | 比較イメージ |
|---|---|---|
| 牛久大仏 | 120m | 圧倒的王者 |
| 自由の女神(米国) | 46m(像本体) | 牛久大仏の腰あたり |
| 奈良の大仏 | 15m | 牛久大仏の手のひらに乗るサイズ |
驚くべきことに、あの奈良の大仏様(約15メートル)が、牛久大仏の手のひら(約18メートル)にすっぽりと乗ってしまうサイズなんです。想像しただけで足がすくみそうですね。
自由の女神でさえ、台座を含めなければ牛久大仏の半分以下の高さしかありません。現地で足元から見上げると、遠近感が狂ってクラクラするほどの迫力ですよ。
胎内巡りで体験できる空間
牛久大仏のすごいところは、外から拝むだけではなく、胎内(中)に入ることができる点です。内部は5層構造になっていて、エレベーターで胸の部分まで上がることができます。
- 1階「光の世界」:煩悩を表す暗闇の中に、慈悲を表す光が差し込む幻想的な空間。
- 2階「知恩報徳の世界」:写経席があり、心静かに写経体験(別料金)ができます。建設時の貴重な写真パネルなども展示されています。
- 3階「蓮華蔵世界」:ここは圧巻です。壁一面に約3,400体もの金色の胎内仏が並んでいて、まるで異世界に迷い込んだような感覚になります。
特に3階の金色の世界は、フォトスポットとしても人気があります。厳かな雰囲気の中で、静かに手を合わせてみてください。
展望台から見えるスカイツリー
地上85メートル、ちょうど大仏様の胸の位置にあたる部分は展望台になっています。ここには細長いスリット状の窓があり、そこから関東平野を一望することができます。
天気の良い日には、東京スカイツリーや富士山まで見えることも!
注意点 展望窓は「大仏様のデザインを損なわないように」作られているため、大きなガラス張りではなく、細長い隙間から覗くスタイルです。パノラマ絶景というよりは、覗き穴から下界を見下ろすような独特の体験ができます。
巨大すぎて怖いという口コミの真実
ネットで牛久大仏について検索すると、「怖い」という関連ワードが出てくることがあります。いわゆる「メガロフォビア(巨大物恐怖症)」の方々からの口コミが多いようですね。
正直に言いますと、私自身も初めて見たときは、あまりの大きさに本能的な恐怖を感じました。日常の風景の中に、規格外の大きさの人型のものがあるという違和感は、脳が処理しきれないような不思議な感覚を呼び起こします。
ですが、その「怖さ」こそが牛久大仏の最大の魅力でもあります。「大きすぎて怖い」という感覚は、現地に行かなければ絶対に味わえません。非日常のスリルを求めている方には、これ以上ないスポットだと言えるでしょう。
アクセス方法や拝観料金の情報

最後に、現地へのアクセス情報です。都心からも意外とアクセスしやすいのが嬉しいポイントです。
車でのアクセス: 圏央道(首都圏中央連絡自動車道)の「阿見東IC」から約3分。インターを降りるとすぐに巨大な姿が見えてくるので、迷うことはまずありません。すぐ近くには「あみプレミアム・アウトレット」もあるので、お買い物とセットで楽しむのが定番コースです。
電車・バスでのアクセス: JR常磐線「牛久駅」からバスで約20〜30分。「牛久大仏」バス停で下車します。
基本情報(目安)
- 拝観時間:9:30〜16:30(季節により変動あり)
- 拝観料金:大人800円(大仏胎内を含むすべての拝観)
※料金や時間は変更になる場合があるので、お出かけ前に必ず公式サイトで最新情報をご確認ください。
牛久大仏はいつ出来たかを振り返るまとめ
今回は「牛久大仏 いつ出来た」という疑問を入り口に、その壮大な歴史と魅力についてご紹介しました。
1993年(平成5年)というバブル崩壊後の時代に、約10年の歳月と80億円もの工費をかけて完成した牛久大仏。その巨大な体躯には、橋を作る最新の建築技術と、平安の世を願う深い祈りが込められていました。
「いつ出来たのか」という背景を知ってから見上げる120メートルの姿は、きっと今までとは違って見えるはずです。ぜひ次の休日は、その圧倒的なスケールを肌で感じに牛久へ出かけてみてくださいね。首が痛くなるくらい見上げる体験、忘れられなくなりますよ!
