
鎌倉の静かな谷戸に佇む妙本寺。ドラマや歴史の影響で興味を持った方も多いのではないでしょうか。
でも、いざ行こうと思うと気になるのが「拝観料はいくらかかるの?」「小銭の用意は必要?」といった現実的な疑問ですよね。
鎌倉の寺院は拝観料がかかる場所が多いので、事前に予算やルールを知っておきたいという気持ち、とてもよくわかります。また、車で行く場合の駐車場事情や、無料ならどの範囲まで見られるのかも気になるところです。
- 拝観料が「志納」とされている本当の意味とマナー
- 限定御朱印や写経体験にかかる具体的な費用
- 無料で停められる境内駐車場の利用難易度とリスク
- 歴史や季節の花など無料でも十分に楽しめる見どころ
妙本寺の拝観料と境内でかかる費用

まずは皆さんが一番気になっているお金の話からしていきましょう。妙本寺は鎌倉の寺院の中でも少し珍しい料金体系になっています。拝観自体にかかるコストと、それ以外で用意しておくべき予算について詳しく解説しますね。
拝観料は志納で実質無料の仕組み
結論から言うと、妙本寺の拝観料は「志納(しのう)」となっています。これは「お気持ちを納めてください」という意味で、チケット売り場のような受付でお金を払ってから入る形式ではありません。
総門や二天門は24時間開放されており、物理的な柵や料金所もないため、基本的には誰でも自由に境内に入って散策やお参りをすることができます。これは、拝観料が300円〜500円程度かかることが多い鎌倉の寺院の中では、とても珍しくありがたいポイントですよね。
ただし、「無料だからタダで良い」と割り切るのではなく、美しい境内を維持管理してくださっているお寺への感謝として、本堂や祖師堂の賽銭箱へのお賽銭はぜひ入れたいところです。金額に決まりはありませんが、一般的なお賽銭の感覚で大丈夫かなと思います。
ここがポイント
チケット購入は不要ですが、感謝の気持ちとしてのお賽銭(小銭)は用意して訪れましょう。
御朱印の値段と限定の初穂料
拝観自体にお金はかかりませんが、御朱印を集めている方はその分の予算が必要です。妙本寺の御朱印は、本堂の隣にある寺務所で頂くことができます。
通常の御朱印であれば、一般的な相場である300円〜500円程度を想定しておけば問題ありません。しかし、注意したいのが「限定御朱印」の存在です。季節によっては「雪だるま」などの可愛らしいイラストが入った限定の御朱印が頒布されることがあり、こちらの初穂料は1,500円ほどになる場合があります。
また、御朱印の受付時間は10:00〜16:00となっています。境内には早朝から入れますが、御朱印を頂きたい場合は10時まで待つ必要があるので、訪問スケジュールを組む際は気をつけてくださいね。
写経体験の料金と予約方法
妙本寺では、静寂の中で心を落ち着けて「写経」を体験することもできます。こちらは「納経料」として2,000円が必要です。
道具一式は貸し出しがあるので、手ぶらで訪れても大丈夫なのが嬉しいポイント。所要時間は個人差がありますが、受付時間の10:00〜15:00の間に余裕を持って訪れるのがおすすめです。基本的には予約が必要ですので、事前に電話で問い合わせておくと安心ですね。鎌倉の緑に囲まれて筆を走らせる時間は、2,000円以上の価値がある特別な体験になるはずですよ。
境内の無料駐車場と道幅の注意点
車で鎌倉に行く方にとって、駐車場代は大きな悩みどころですよね。実は妙本寺には、参拝者専用の無料駐車場が境内に用意されています。「えっ、無料で停められるの?」と喜ぶのは少し待ってください。ここを利用するには、かなり高度な運転スキルが必要になるんです。
総門をくぐって境内に入るまでの道は非常に狭く、住宅街を抜けていくようなルートになります。特に横須賀線の踏切付近や参道は、大型車(SUVやミニバンなど)だとギリギリの幅しかありません。対向車が来たらすれ違いはほぼ不可能ですし、運転に不慣れな方だと冷や汗をかくこと間違いなしです。
運転時の注意点
道幅が非常に狭いため、運転に自信がない場合や大型車の場合は、無理をせず近隣のコインパーキングを利用することを強くおすすめします。
周辺のコインパーキング料金相場
無理をして車を擦ってしまうリスクを考えると、周辺の有料駐車場を利用するのも賢い選択です。妙本寺周辺、特に大町エリアには意外とリーズナブルなコインパーキングが点在しています。
鎌倉駅周辺の相場は高いですが、妙本寺の近くには「24時間最大1500円〜」といった駐車場があります(※料金は変動する可能性があります)。
少し歩くことにはなりますが、安心して観光を楽しむための「必要経費」と考えれば、決して高くはないはずです。事前に地図アプリなどで「最大料金あり」の駐車場をチェックしておくと、トータルの出費を抑えられますよ。

妙本寺は拝観料が無料でも見所満載

「無料(志納)で入れるお寺なんて、あまり見るものがないんじゃない?」と思っていませんか? いえいえ、そんなことは全くありません。妙本寺は歴史の重みと自然の美しさが凝縮された、鎌倉でも屈指の名刹です。
鎌倉駅からのアクセスと徒歩ルート
まずはアクセスですが、JR鎌倉駅の東口から徒歩で約8分〜15分ほどで到着します。賑やかな小町通りとは反対側の「大町」方面へ進み、滑川にかかる橋を渡って少し歩くと、急に静かな空気が流れるエリアに入ります。ここが「比企谷(ひきがやつ)」と呼ばれる場所です。
駅から徒歩圏内でありながら、観光客の喧騒から離れて静かに散策できるのが最大の魅力。道も比較的平坦で歩きやすいですが、境内に入ると少し坂や階段があるので、歩きやすい靴で行くのがベストです。
比企一族の悲劇と歴史的な背景
妙本寺があるこの場所は、かつて鎌倉幕府の有力御家人・比企能員(ひきよしかず)の屋敷があった場所です。大河ドラマ『鎌倉殿の13人』を見ていた方ならピンとくるかもしれませんね。
ここは建仁3年(1203年)の「比企氏の乱」で、北条氏によって比企一族が滅ぼされた悲劇の地でもあります。境内には比企一族のお墓や、源頼家の娘である竹御所のお墓もひっそりと佇んでいます。
ただ静かなだけでなく、そうした「歴史の舞台」であることを知ってから訪れると、風景の見え方がガラッと変わるはずです。無料のエリアでありながら、これほど濃密な歴史に触れられるのは贅沢ですね。
春の海棠や紫陽花など季節の花
写真好きの方にも妙本寺はたまらないスポットです。特に有名なのが春の「海棠(カイドウ)」と桜の競演。ソメイヨシノよりも少し濃いピンク色の花を咲かせる海棠が、祖師堂の前に垂れ下がるように咲く姿は本当に美しいです。
また、初夏にはオレンジ色の鮮やかな「ノウゼンカズラ」が二天門を彩ります。紫陽花については、長谷寺や明月院のような圧倒的な数ではありませんが、ひっそりと咲く姿が情緒的で、混雑を避けてゆっくり撮影したい方には穴場と言えます。四季折々の花が、歴史ある建物をより一層引き立ててくれますよ。
圧倒的な祖師堂や二天門の景観

境内に入ってまず驚くのが、建物の立派さです。特に一番奥にある「祖師堂(そしどう)」は、木造の仏堂建築としては鎌倉最大級の規模を誇ります。その大きさ、重厚感には圧倒されること間違いなしです。
手前にある朱塗りの「二天門」も鮮やかで、緑深い谷戸の風景とのコントラストが最高です。これら全てを拝観料なしで見ることができるなんて、少し申し訳なくなるくらいの満足感があります。建物の細かな彫刻などにもぜひ注目してみてください。
滞在時間の目安とトイレの有無
妙本寺の滞在時間は、お参りしてさらっと一周するだけなら20分〜30分程度。御朱印を頂いたり、写真をじっくり撮ったりするなら45分〜1時間ほど見ておくと良いでしょう。
トイレについては、基本的には駅や周辺の公衆トイレで済ませてから向かうのがマナーとしても安心です。ただ、妙本寺にもトイレは設置されているのでご安心下さい。
妙本寺の拝観料と参拝のまとめ
最後に、妙本寺の拝観料と参拝のポイントをまとめておきます。
- 拝観料:「志納」のため実質無料(お賽銭を用意しましょう)。
- 御朱印:通常300円〜500円、限定は1,500円程度。受付は10:00〜16:00。
- 駐車場:境内無料Pありだが道が極狭。運転に自信がないなら周辺の有料Pへ。
- 見どころ:比企一族の歴史、春の海棠、夏のノウゼンカズラ、巨大な祖師堂。
妙本寺は、鎌倉駅から近いのに驚くほど静かで、歴史と自然を心ゆくまで味わえる素晴らしい場所です。拝観料の心配をせずに、まずはその場の空気を肌で感じに行ってみてはいかがでしょうか。きっと、「来てよかった」と思える素敵な時間が待っていますよ。
情報と地図
| 公式サイト | 妙本寺 本堂 |
| 住所 | 神奈川県鎌倉市大町1丁目15−1 |
| 営業時間 | |
| 料金 | |
| 電話番号 | |
| 駐車場はありますか? | 無料駐車場あり |