
鎌倉観光の中でも特に人気が高い「銭洗弁財天宇賀福神社」。ここがお金を洗うだけのスポットだと思っていませんか?実は、日本遺産「いざ、鎌倉」のストーリーを語る上で欠かせない、深い歴史と由緒を持つ場所なんです。
「銭洗弁財天宇賀福神社 日本遺産」と検索してこの記事にたどり着いたあなたは、きっと単なる観光以上の体験を求めているはず。現地は独特な地形やトンネルなど、知っていれば何倍も楽しめるポイントがたくさんあります。
この記事では、私が実際に訪れて感じた魅力や、失敗しないための情報を余すところなくお伝えしますね。
- 日本遺産としての銭洗弁財天が持つ歴史的な価値と背景
- ご利益を最大化するための正しい参拝手順と銭洗いの作法
- 2025年の「巳の日」や混雑を避けるためのベストな訪問時期
- 鎌倉駅からのアクセスや駐車場に関する注意点と解決策
銭洗弁財天宇賀福神社と日本遺産の深い歴史
銭洗弁財天宇賀福神社は、単なるパワースポットではありません。文化庁が認定する日本遺産「いざ、鎌倉 ~歴史と文化が描くモザイク画~」の構成文化財の一つとして、重要な役割を担っています。ここでは、なぜこの場所が特別なのか、その歴史的な背景を紐解いていきましょう。
源頼朝と北条時頼の伝説と由来
この神社の始まりは、鎌倉幕府を開いた源頼朝の夢にまで遡ります。平安時代の末期、世の中は乱れ、人々は貧困にあえいでいました。そんな1185年(文治元年)の「巳の年、巳の月、巳の日」の夜、頼朝の夢枕に「宇賀福神(うがふくじん)」という神様が現れたといいます。
神様は「この地の岩から湧き出る水で神仏を供養すれば、天下は泰平になる」と告げました。頼朝がそのお告げに従って社を建てたのが、この神社の起源とされています。つまり、ここは最初から「人々の安寧と平和」を祈る場所だったんですね。
宇賀福神とは? 体は蛇、頭は人の形(翁や女性)をした神様です。水神としての性格を持ち、穀物の豊穣や財宝を司るとされています。
その後、1257年(正嘉元年)に鎌倉幕府第5代執権・北条時頼が、この霊水で銭を洗い、一族の繁栄を祈ったことで、「銭洗い」の風習が定着したと言われています。時の最高権力者たちが大切にしてきた場所だからこそ、そのご利益には説得力がありますよね。

金運だけではない本当のご利益
「お金が増える」というイメージが強いですが、本来のご利益はもっと奥深いものです。前述の通り、源頼朝は「民衆の救済」を願ってこの神社を創建しました。また、北条時頼は「一族の繁栄」と「子孫の安寧」を祈っています。
したがって、単に臨時収入を願うだけでなく、「家内安全」や「商売繁盛」、そして「心の浄化」こそが、この神社が授けてくれる本当の力なのかもしれません。清らかな水でお金を洗う行為は、お金についた「穢れ(けがれ)」を落とし、清浄なものへ還すという意味も込められていると私は感じます。
境内の上之水神宮と七福神社
トンネルを抜けて境内に入ると、奥宮(洞窟)以外にも注目すべきお社がいくつかあります。多くの人が見逃しがちですが、これらも日本遺産の構成要素として大切にしたいスポットです。
| 社名 | 特徴・ご利益 |
|---|---|
| 上之水神宮(かみのすいじんぐう) | 境内の少し高い位置にあり、水波売神(みずはのめのかみ)という水の神様を祀っています。水源を守る重要な神様です。 |
| 下之水神宮(しものすいじんぐう) | 上之水神宮の下方に位置し、同じく水の神様を祀っています。境内の池や滝の守護神とも言えるでしょう。 |
| 七福神社(しちふくじんじゃ) | 大黒天や毘沙門天など、七福神すべてを祀るお社です。「商売繁盛」のご利益があるとされ、奥宮とセットで参拝するのがおすすめです。 |
特に上之水神宮・下之水神宮は、この地が「水」と深く関わっていることを象徴しています。鎌倉の地形が生んだ「水への感謝」を忘れないようにしたいですね。
鎌倉観光のおすすめモデルコース
銭洗弁財天を訪れるなら、周辺の日本遺産スポットも合わせて巡るのがおすすめです。鎌倉の地形や歴史の繋がりを感じられるコースをご紹介します。
【日本遺産満喫コース(所要時間:約3時間)】
- 鎌倉駅西口を出発
- 銭洗弁財天宇賀福神社で金運祈願&銭洗い体験
- 徒歩約10分で佐助稲荷神社へ(赤い鳥居が幻想的!出世運UP)
- ハイキングコースを経由して葛原岡神社(縁結び)へ
- 最後に大仏切通などを通り長谷方面へ抜ける(または鎌倉駅へ戻る)
このエリアは「隠れ里」と呼ばれるだけあって、坂道や細い道が多いですが、それこそが天然の要害・鎌倉の魅力です。歩きやすい靴で散策を楽しんでくださいね。
スピリチュアルな不思議体験
実際に訪れるとわかりますが、銭洗弁財天には独特の雰囲気があります。日常の住宅街から、岩盤をくり抜いたトンネル(隧道)を一歩くぐると、空気がガラッと変わるんです。まるで異世界への入り口のよう。
四方を急峻な崖に囲まれた谷戸(やと)地形は、音が反響しやすく、水音やお線香の香りが空間全体を包み込んでいます。「心が洗われる気がする」「悪いものが落ちた気がする」といった感想を持つ方が多いのも納得です。単なる観光地ではなく、昔の人々がここを「聖地」とした理由が肌感覚でわかる場所だと思います。

日本遺産の銭洗弁財天宇賀福神社へ行く前に
いざ行くとなると、気になるのは「正しい作法」や「混雑状況」ですよね。現地で迷わないよう、実用的な情報をまとめました。これさえ読んでおけば安心です。
失敗しない正しい参拝方法の手順
初めてだと「どうやって洗えばいいの?」と戸惑うかもしれません。基本的な流れを押さえておきましょう。
- 社務所で参拝セットを購入 ロウソク、お線香、ザル(貸出)のセットが頒布されています(100円程度)。これが参拝の基本アイテムです。
- 本社(本宮)へ参拝 いきなりお金を洗うのではなく、まずは本社にいらっしゃる市杵島姫命(いちきしまひめのみこと)にご挨拶をしましょう。ロウソクとお線香を献灯・献香し、身を清めます。
- 奥宮(洞窟)へ いよいよ洞窟の中へ。ここが宇賀福神の鎮座する場所です。
- 銭洗い ザルにお金(硬貨やお札)を入れ、柄杓で霊水をかけます。
- 水気を拭き取る ハンカチなどで丁寧に拭きます。
お札を洗う時の注意点 お札は全体をびしょ濡れにする必要はありません。端を少し濡らすだけでも「清め」の効果はあると言われています。濡れたお札を自動販売機などに入れると故障の原因になるので、しっかり乾かすか、有人レジで使うようにしましょう。
洗ったお金は「大事にしまっておく」派と「有意義に使う」派がいますが、一般的には「世の中に回す(使う)ことで、福となって返ってくる」と言われています。私は、大切な人へのプレゼントや、旅の思い出になる食事などに使うようにしています。
御朱印やお守りの種類と時間
参拝の証として御朱印をいただくのも楽しみの一つですよね。社務所にて書き入れ等の対応をしていただけます。
- 受付時間:通常 8:00 ~ 16:00頃(※日によって変わる場合があるので、余裕を持って行きましょう)
- お守り:金運に特化したものが豊富です。「御宝銭」や「小判型のお守り」はお財布に入れやすくて人気があります。
特に「巳の日」限定の授与品などがある場合もありますので、社務所でチェックしてみてくださいね。
2025年の巳の日と混雑予想
2025年は干支が「巳(へび)」の年!銭洗弁財天にとっては、12年に一度の特別な年と言えます。例年以上に多くの参拝客で賑わうことが予想されます。
特に、60日に一度巡ってくる「己巳(つちのとみ)の日」は、弁財天様の縁日として最強の金運デーとされています。この日は朝から行列ができることも珍しくありません。
【2025年の主な己巳の日(予定)】
- 1月24日
- 3月25日
- 5月24日
- 7月23日
- 9月21日
- 11月20日
静かにゆっくりお参りしたい方は、あえて巳の日を避けるか、早朝(8時前)の到着を目指すのがベターです。逆に、お祭りのような熱気を感じたい方は、この日を狙ってみるのも良い記念になるでしょう。
鎌倉駅からのアクセスと駐車場
ここが一番の注意点です!銭洗弁財天へのアクセスは、少しハードルが高い部分があります。
【徒歩の場合】 JR鎌倉駅西口から徒歩約20~25分。ルートの最後には、かなり急な坂道が待ち構えています。ヒールやサンダルではなく、歩きやすいスニーカー推奨です。
【車の場合】 神社の敷地内に一般参拝者用の駐車場は実質ありません。(※身障者用などが数台ある場合もありますが、道が極めて狭く、対向車とのすれ違いも困難です)。さらに、土日祝日や巳の日は交通規制がかかることもあります。
車でのアクセスは非推奨! 周辺道路は「ここ通れるの?」と思うほど狭く、運転に自信がないと立ち往生してしまいます。鎌倉駅周辺のコインパーキングに停めて、そこから徒歩かタクシーを利用するのが賢い選択です。
周辺の美味しいランチスポット
参拝後はお腹も空きますよね。佐助エリアや鎌倉駅西口付近には、素敵なカフェやレストランがたくさんあります。
- GARDEN HOUSE Kamakura:緑に囲まれたテラス席が人気のレストラン。鎌倉ハムや地元のクラフトビールが楽しめます。
- 茶房 雲母(きらら):もちもちの白玉が大人気の甘味処。行列必至ですが、並ぶ価値ありです。
- 佐助エリアの隠れ家カフェ:神社の近くには、古民家を改装したカフェなども点在しています。参拝の余韻に浸りながら一休みするのにぴったりです。
銭洗弁財天宇賀福神社と日本遺産のまとめ
銭洗弁財天宇賀福神社は、頼朝や時頼といった歴史上の人物の想いが詰まった、日本遺産・鎌倉を象徴する場所です。
ただお金を洗うだけでなく、その背景にある「平和への祈り」や「地形の妙」を感じながら参拝することで、きっとより深いご利益をいただけるはずです。
2025年の巳年という特別なタイミングに、ぜひ訪れてみてはいかがでしょうか。皆様にたくさんの福が訪れますように!