
東京を代表する観光地である浅草寺を訪れる際、雷門や仲見世通りを抜けた先にある宝蔵門や五重塔は絶対に外せないスポットですよね。しかし、実際に境内を歩いてみると「宝蔵門の裏側には何があるんだろう?」「五重塔の内部はどうなっているのかな?」と気になる疑問もたくさん出てくるのではないでしょうか。
せっかく参拝するなら、建造物の背景にある歴史や鑑賞時のポイントをしっかり押さえておきたいものです。この記事では、浅草寺の宝蔵門と五重塔の見どころを中心に、それぞれの歴史や建築の工夫、おすすめの撮影スポットまで分かりやすくご紹介します。これらを知っておくだけで、浅草散策がより深みのある素敵な体験になりますよ。
- 宝蔵門に隠された歴史と見逃せない注目ポイント
- 五重塔の美しさと地震に強い免震構造の秘密
- 日没後に実施される幻想的なライトアップの魅力
- 見逃したくない撮影スポットと参拝時の基本情報
浅草寺における宝蔵門と五重塔の見どころ
仲見世通りを抜け、本堂の前に差し掛かると目に飛び込んでくるのが、堂々たる佇まいの宝蔵門と、その隣にすっとそびえ立つ五重塔です。どちらも浅草寺のシンボルとして親しまれていますが、細部までじっくり観察すると、昔の人々の信仰心や知恵が詰まった数々の見どころを発見することができます。まずは、それぞれの建造物が持つ大きな魅力や注目してほしいポイントを順番に見ていきましょう。
巨大な大わらじと迫力あふれる仁王像
宝蔵門を訪れた際、最初に目を奪われるのが正面の両脇に安置された仁王像(金剛力士像)です。向かって右側には口を開いた「阿形(あぎょう)」、左側には口を閉じた「吽形(うんぎょう)」が構えており、参拝者を邪気から守る頼もしい存在として鋭い眼光を放っています。その力強い立ち姿には思わず圧倒されてしまいますね。
そして、門をくぐり抜けて背面(本堂側)へ回ったら、忘れずに見上げてみてください。そこには長さ約4.5メートル、重さ約500キログラムにも及ぶ巨大な大わらじが飾られています。
【大わらじの由来】
この大わらじは、「こんなにも大きなわらじを履く仁王様がいるお寺なら、悪霊や魔物も恐れをなして逃げ出してしまうだろう」という魔よけの意味を込めて奉納されているそうです。
仁王様の圧倒的なパワーを象徴する大わらじは、宝蔵門の隠れた大人気スポットですので、表側の仁王像とあわせてじっくり観察してみてください。
門の中央に掲げられた小舟町の大提灯
宝蔵門の中央には、赤く大きな提灯が誇らしげに掲げられています。一見すると雷門の大提灯と似ていますが、正面に白文字で「小舟町(こぶなちょう)」と大きく書かれているのが特徴的です。この提灯は、江戸時代から浅草寺と深い縁がある日本橋小舟町の町会の方々によって奉納され続けているもので、下町の粋な伝統が現代にもしっかり受け継がれています。
提灯の底部分をのぞき込むと、見事な龍の木彫りが施されているのも見どころの一つです。雷門の提灯底にある彫刻とはデザインや形状が微妙に異なっているので、二つの提灯を見比べて違いを探してみるのも楽しいですよ。
高さ約53メートルを誇る朱色の五重塔
宝蔵門を正面から見て左隣に美しく立ち上がる五重塔は、地上からの高さが約53.32メートル(塔本体は48.3メートル)あり、京都の東寺にある五重塔に次ぐ全国トップクラスの規模を誇ります。鮮やかな朱塗りの塔が青空に映える様子は実に壮大で、仲見世通りを歩いている最中も、木々の間から徐々に姿を現す様子にワクワクさせられます。
現在の五重塔は、回廊式の建物(塔院)の上に塔が建つ「塔院造り」という構法で建てられており、堂々とした安定感と美しいシルエットをあわせ持っているのが魅力です。
地震の揺れを吸収する心柱と免震構造
外観の美しさはもちろんですが、五重塔の構造に秘められた古来の知恵にも注目したいところです。一見すると5階建ての頑丈な建物に見えますが、内部の中央には「心柱(しんばしら)」と呼ばれる一本の太い柱が天井から吊り下げられるように通っています。
この心柱は周囲の建物本体とは固定されておらず、地震が起きた際には揺れを打ち消し合うように独立して動く仕組みになっています。このしなやかな免震構造のおかげで、江戸時代の安政大地震の際にも旧五重塔は倒壊せず、頂上の九輪が少し曲がる程度で済んだという有名な逸話が残っているほどです。
【伝統建築の免震の知恵】
建物全体をガチガチに固めるのではなく、あえて「ゆるみ」を持たせることで大きな揺れをいなす構造です。現代の超高層タワーの制震技術にも、この五重塔の仕組みが応用されていると言われています。
最上層に納められたスリランカの仏舎利
浅草寺の五重塔は、単なる歴史的建造物や景観としてのシンボルであるだけでなく、仏教における極めて重要な役割を果たしています。塔の最上階には、1966年(昭和41年)にスリランカのイスルムニヤ王立寺院から奉載された「聖仏舎利(お釈迦様の遺骨)」が大切に納められているのです。
もともと仏塔(ストゥーパ)は、お釈迦様の遺骨を祀るために作られた建造物が起源とされています。浅草寺の五重塔もその本来の目的をしっかりと受け継いでおり、境内で静かに人々を見守る信仰のシンボルとして尊ばれています。
宝蔵門や五重塔の見どころを巡る鑑賞ガイド
宝蔵門と五重塔の基本的な魅力を押さえたところで、次は実際の参拝や散策をもっと楽しむための鑑賞ガイドをご紹介します。建造物が歩んできた歴史的背景や、時間帯によって表情を変える夜の姿、おすすめの撮影ポイントなどを知っておくと、見学が何倍も面白くなりますよ。浅草寺全体の回り方や動線を知りたい方は、浅草寺の回り方|雷門から本堂へ、仲見世・宝蔵門をたどる参拝動線の記事もぜひ参考にしてみてくださいね。
幾度もの火災を乗り越えてきた歴史
宝蔵門と五重塔は、どちらも天慶5年(942年)に武蔵守・平公雅(たいらのきんまさ)によって建てられたのが始まりと伝えられています。それ以来、1000年以上の歴史の中で幾度もの火災や戦災に遭い、そのたびに人々の手によって再建されてきました。
特に五重塔は、江戸時代に徳川家光公によって再建され、「江戸四塔(寛永寺・増上寺・天王寺・浅草寺)」の一つとして親しまれていました。明治時代には国宝に指定されたものの、昭和20年(1945年)の太平洋戦争による空襲で惜しくも焼失してしまった歴史があります。地震には圧倒的に強かった塔も、人災である火災には勝てなかったというのは切ない歴史ですね。
現在の五重塔は、防災意識を高めた鉄骨鉄筋コンクリート造で1973年(昭和48年)に再建されたものです。再建の際、かつて宝蔵門の右側(東側)にあった場所から左側(西側)へ位置が変更されました。元の場所には現在「塔」と刻まれた石碑がひっそりと残されているので、探してみてはいかがでしょうか。
日没から23時まで実施されるライトアップ
昼間の活気あふれる浅草寺も素敵ですが、夕暮れ時から夜にかけての時間帯も絶対に見逃せません。雷門・宝蔵門・五重塔は、毎日日没から23時までライトアップが実施されています。
闇夜に浮かび上がる朱塗りの宝蔵門と五重塔は、昼間とは一味違う幻想的で厳かな雰囲気を漂わせています。夜間は仲見世通りの商店のシャッターが下りて混雑も落ち着くため、ゆったりと静かな境内を散策したい方にはぴったりの時間帯です。シャッターに描かれた美しい「浅草絵巻」を眺めながらの夜間散策は格別ですよ。
百体の観音像が安置された霊牌殿と塔院
現在の五重塔は、基部が回廊状の「塔院」になっており、内部には「霊牌殿(れいはいでん)」と呼ばれる特別な空間が存在します。ここには百体の聖観音像と、1万2千基以上におよぶ永代供養の位牌が大切に安置されています。
通常、五重塔の内部は一般公開されておらず立ち入ることはできません。しかし、永代供養を申し込んだ方とそのご家族のみ、年に3回指定された日に内部へ入ることが認められています。一般参拝では外観からその静けさと神聖な気配を感じ取る形になりますが、内部にそうした祈りの空間が広がっていることを知っておくだけでも、見方が変わってきますね。
境内と建造物を背景にしたおすすめ撮影スポット
宝蔵門や五重塔の美しさを思い出に残すなら、写真撮影の構図にもこだわりたいところです。浅草観光の記念になるおすすめの撮影ポイントをいくつかピックアップしました。
- 仲見世通りの途中から:通り沿いの賑やかな店舗の屋根越しに、五重塔の先端が覗く旅情あふれる構図
- 宝蔵門の斜め前:宝蔵門・五重塔・本堂の三つを一枚のフレームにバランスよく収められる定番スポット
- 宝蔵門の背面:巨大な大わらじと五重塔を背景にした迫力あるアングル
- 本堂前の広場:ライトアップ時に見上げるように撮影する幻想的な夜景構図
混雑する時間帯は周囲の参拝者の迷惑にならないよう、マナーを守って撮影を楽しんでくださいね。
開堂時間や最寄駅などの基本情報
スムーズに参拝できるよう、浅草寺の開堂時間やアクセス情報を一覧にまとめました。浅草寺での滞在時間や境内全体の魅力については、浅草寺の滞在時間は?見どころやアクセス・仲見世も解説の記事で詳しく解説しています。
| 項目 | 詳細内容 |
|---|---|
| 所在地 | 東京都台東区浅草2-3-1 |
| 電話番号 | 03-3842-0181 |
| 拝観料 | 境内参拝無料 |
| 本堂開堂時間 | 6:00〜17:00(10月〜3月は6:30開堂) ※境内は24時間開放 |
| ライトアップ | 日没〜23:00(毎日実施) |
| 最寄駅 | 各線「浅草駅」より徒歩約5分 (東京メトロ銀座線・都営浅草線・東武伊勢崎線・つくばエクスプレス) |
※記載されている時間や営業情報等は、あくまで一般的な目安です。行事や天候等により変更となる場合があるため、お出かけの際は正確な最新情報を必ず公式サイトでご確認ください。
浅草寺の宝蔵門と五重塔の見どころまとめ
浅草寺の宝蔵門と五重塔は、単なる歴史的な建造物というだけでなく、幾度の焼失から立ち上がってきた人々の情熱や、伝統の免震技術、そして深い信仰心が凝縮された場所です。正面の迫力ある仁王像や小舟町の大提灯、裏側の大わらじ、さらには五重塔のしなやかな建築美など、知れば知るほど見応えのある魅力に満ちています。
昼間の爽やかな姿はもちろん、日没後のライトアップされた幻想的な景観も一見の価値ありです。ぜひ次回浅草を訪れる際は、今回ご紹介した注目ポイントに目を向けながら、宝蔵門と五重塔の歴史とロマンをじっくり体感してみてくださいね。なお、旅行計画や安全に関する最終的な判断は、ご自身の体調や状況に合わせて慎重に行い、専門家や現地案内にもご相談いただくことをおすすめします。
宝蔵門の基本情報
| 住所 | 〒111-0032 東京都台東区浅草2丁目3−1 |
|---|---|
| 電話番号 | 0338420181 |
| 営業時間 | 6時30分~17時00分 |
| 定休日 | なし |
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